スポーツマーケティング考 第13話 【ブランドの話し❶】
今日は「ブランド」のお話を少しさせてください。
「モノづくり」では勝った。しかし「ブランドづくりでは負けた」企業が多い。
ブランドはモノの中にあるのではなく、人の心の中にある。強いブランドは成り行き任せではできない。
戦略性と創造性をもって作り上げるべきだ。
人々を動かす大きな力は「モノ」から「ブランド」にシフトしている。
消費者に選ばれるためには、モノづくり志向からブランドづくり志向へ発想を転換し、モノを超えた何かを創造することが不可欠になってくる。
では、強いブランドはどうすれば生み出すことができるのだろうか?
どうすれば既存製品のブランド力を強くすることができるのだろうか?
ここが私たちの命題である。
ブランドは「売りたい商品」を「買いたい商品」に変えてくれる。
ブランドづくりの前提はまず、「ブランドとは何か」についてベクトルを合わせることである。
辞書を紐解くと、
(焼印の意)商標、銘柄、特に名が通った銘柄。
ブランドとは元来「焼印」の事であり、識別手段としての「名前」や特定生産者による「商品」を意味するものである。
ここでイメージの話をしよう。
「京都」「北海道」「沖縄」「佐賀」「埼玉」「群馬」
目を閉じて一つ一つの地名を思い浮かべてほしい。
なぜ全国に40を超える「小京都」があるのか?
なぜデパートなどの地方物産展で「北海道フェア」が圧倒的な人気があるのか?
なぜ、「夏の沖縄」が観光客をひきつけるのか?
つまりイメージが映像として浮かび上がってこないものは人々に選択されにくいという調査結果は存在する。
ブランドは心の連想だ。
目を閉じて何かしらの好ましいイメージが浮かばなければ選択されることは無い。
単なる名前なのか?ブランドなのか?はその言葉のあとに、「的」「らしさ」という言葉を付け加えればよくわかる。
「京都らしいお菓子」
「北海道らしいお菓子」
全く同じ言葉をつけたにもかかわらず、あなたの頭の中には全く違うお菓子がイメージされるはずだ。
強いブランドは「品質」も超える。
ここに同じ価格の携帯音楽プレーヤーがある。
① SANYO
② SONY
あなたはどちらを選ぶだろう?
消費者100人に聞き取り調査をした。
① SANYO 4.3%
② どちらでもよい 38.0%
③ SONY 57.7%
圧倒的に多くの人たちがSONYを選ぶ
ちなみに二つのアルファベットの綴りを見てみると、Aが入っているか、いないかの違いだけである。
品質が全く同じだとしても選ばれる商品と選ばれない商品がある。
私が思うに、このことはスポーツの世界でも同じなのだと思う。
ABCマートでシューズを購入するときに、何をもって購入の決定をしているか?
皆さんも思い返してほしい。
それはシューズについているマーク(ブランド)なのだと思う。
ブランドづくりの教科書 岩崎邦彦著 より抜粋